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【ネタバレ考察】映画ゲットアウトの怖さとタイトルの意味|アメリカの人種差別ホラー

この記事では、「ゲットアウト」のあらすじとネタバレ、キャストについて紹介します。

ホラー映画でありながらも、現代のアメリカ社会にはびこる差別意識を暴いた「ゲット・アウト」。

この映画をまだ観ていない方も、好きな方も、是非読んで、参考にしてみてください。

ゲット・アウトの作品詳細情報

公開:2017年10月27日(全米公開2017年02月24日)

原題:Get Out

上映時間:103分

監督:ジョーダン・ピール

製作:ユニバーサル・ピクチャーズ

出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ

通常のハリウッド映画の約1/4以下の製作費で作られ、監督・キャストはほぼ新人であったものの、アメリカでは1億7600万ドルを超える興行収入を稼ぎ、大ヒットしました。

また、ホラーという批評家受けの悪い題材でありながらも、その年のアカデミー賞で作品賞含む4部門に選ばれ、脚本賞を受賞しました。

なぜ、『ゲット・アウト』はこれほどまでに、多くの人を魅了するのでしょうか。

ゲット・アウトのあらすじ

ニューヨークに暮らす、アフリカ系アメリカ人のプロカメラマン、クリス・ワシントンは、看護師をしている白人の恋人ローズ・アーミテージの実家に、挨拶へ行くことになりました。

クリスはローズに「彼氏が黒人であることを両親に事前に伝えた方が良いのでは?」と尋ねるますが、ローズは「両親はそんなこと気にしてないから」と答えます。

ローズの運転で、実家へ向かう途中、2人の乗る車は鹿に衝突します。

事故現場にやって来た警官は、同乗者だったクリスにも、黒人であることを理由に、身分証の提示を求めたため、ローズは警官を非難します。

クリスは、事が大きくならないよう、不快に思いつつも、警官の要求に応じます。

ローズの実家に到着した2人は、両親であるディーンとミッシーから温かい歓迎を受けます。

父親のディーンは、かつて神経外科医をやっており、母のミッシーは現役の精神科医でした。

また、ローズの弟のジェレミーも医学生で、まさにアーミテージ家はお医者一家でした。

父親はクリスに自宅を案内し、使用人であるジョージナとウォルターを紹介します。

クリスは、黒人差別をしない家族が、なぜ黒人ばかり使用人として雇うのか疑問を抱きます。

家を一通り見て回った後、両親は「明日、パーティーを行おうと思っているんだ」と告げます。

ローズは嫌がりますが、クリスは気にもとめない様子です。

そこへ弟のジェレミーが帰宅します。

その日の夜、クリスが一服のため、家の外に出ると、ウォルターが家の周りを全力疾走しているのに気づきます。

またジョージナは、虚な目で一点を凝視していました。

2人の不審な行動に恐怖を感じたクリスはミッシーの部屋に逃げ込みます。

そこにはミッシーがいました。

ミッシーはクリスに「禁煙できるから催眠療法を受けてみなさい」といい、半ば強制的に催眠療法を受けさせます。

催眠によって、クリスは母親が亡くなった夜を思い出します。

翌朝、クリスは、昨晩の催眠療法によって、煙草を見ると強烈な不快感を抱くようになっていることに気づきます。

その頃、パーティーの招待客が続々とアーミテージ家に集まり始めていました。

ディーンは、招待客のひとりひとりにクリスを紹介します。

招待客のほぼ全員が白人でしたが、皆、クリスに興味津々で、執拗にクリスに質問をします。

なぜそれほど自分に関心を持っているのか怖くなったクリスは、アーミテージ家の2階に逃げます。

すると途端に招待客の全員が黙りこみ、クリスの向かった2階をただ見つめるのです。

まるで客のほとんどがクリスを見るためだけにパーティーに訪れたようでした。

以降は結末に向けてネタバレを含みますので、結末が知りたくない場合は飛ばしてください。

クリスは、アーミテージ家に得体の知れない恐怖を感じ、友人のロッドに連絡を取ろうとします。

しかし携帯の充電が切れていました。

パーティーに出席する前に、充電コードをきちんと刺していたはずだったので、クリスは家にいたジョージナを疑います。

クリスはジョージナに詰問すると、彼女は「清掃中に誤って抜けてしまったんです。申し訳ありません」といいます。

クリスはさらに言い寄ると、ジョージナは急に笑い出します。

クリスはパーティーに戻り、ローガンに話しかけます。

ローガンは招待客の中で、唯一の黒人でした。

年の離れた白人女性と結婚している様子のローガンは、常に上の空で、うまく話が噛み合いません。

クリスは携帯で、ローガンの写真を撮ろうとします。

シャッター音が鳴ると、ローガンは突然鼻血を出しながら「Get Out! Get Out!」と叫びはじめ、クリスに襲いかかります。

ローガンは、ミッシーの部屋に連行されていきます。

クリスは気分転換のため、ローズと外出することにします。

同じ頃、アーミテージ家では怪しげなオークションが開かれていました。

オークションの対象はクリスです。

そして盲目の画商ハドソンがクリスを「落札」しました。

自分が売られているとは知らないクリスはローズと家に戻ると、招待客は続々と帰っていきます。

クリスはローズに、もう自分たちも帰ろうといいます。

クリスはここに来てから、不思議なことばかり起きるので、とにかく逃げ出したかったのです。

ローズが身支度をしている間、クリスは友人のロッドに、パーティーで会ったローガンの話をし、彼の写真を送ります。

ロッドは、ローガンの顔を見て「アンドレ・ヘイワース」ではないかと言います。

アンドレは少し前に誘拐され行方不明になっていました。

なぜ彼がパーティーに出席していたのか?

二人は得体の知れない不安を感じ始めます。

クリスは、何かローズたちが自分に隠し事をしていると思い、部屋を物色します。

するとクローゼットに真っ赤な箱があるのを見つけます。

箱を開けると、中にはローズが黒人のボーイフレンドと写っている写真が大量にありました。

ローズはクリス以外の黒人と付き合ったことはないと以前言っていたため、なおさら奇妙に思います。

そこへローズがやってきました。

やっと帰れると安心したクリスでしたが、ローズは車の鍵を失くしたといいます。

ローズが鍵を探している間に、弟のジェレミーがクリスに襲い掛かってきます。

逃げようとするクリスでしたが、その瞬間、ミッシーによって、催眠にかけられます。

催眠から目覚めたクリスは椅子に縛り付けられていました。

そしてパーティーの目的が、自分を売ることだったとクリスは知ります。

だからこそ、パーティーの参加者は自分に興味津々だったのです。

そしてローズが黒人を恋人にし、弟が誘拐をし、ローズの母が催眠術をかけ、父が白人の脳みそを黒人に移植をしているということが分かります。

移植をすることで、白人は黒人の強靭な肉体を手に入れることができたのです。

父のディーンはクリスの肉体に、盲目の画商ジムの脳を移植しようとします。

クリスは再び催眠にかけられそうになりますが、なんとか自力で脱出します。

そして、弟ジェレミーやディーン、ミッシーを倒します。

車で逃げようとするクリスに、ジョージーナとウォルターが襲いかかります。

ジョージーナにはローズの祖母、ウォルターにはローズの祖父の脳がそれぞれ移植されていました。

クリスは逃げようとする車で、誤ってジョージナを引いてしまいます。

救おうとするクリスの元に、ローズとウォルターがやってきます。

クリスはウォルターにライフルで襲われそうになりますが、カメラでウォルターを撮影します。

シャッターによって催眠を一時的に解かれたウォルターは、クリスではなくローズを撃ちます。

催眠に再びかかり、祖父の意識にもどったウォルターは孫を撃った罪悪感から、ライフルを自分に向け、発砲します。

そこへパトカーがやってきます、クリスは置かれた状況から、自分が悪者にされると確信し、諦めます。

しかしパトカーから降りたのはクリスの友人ロッドでした。

クリスはロッドの車に乗り、アーミテージ家をあとにするのです。

ゲット・アウトをみての感想

「ゲット・アウト」は、白人と黒人の対立を描いた作品です。

とはいえ、単なる白人が黒人を虐げる様を映画作品ではありません。

むしろ「ゲット・アウト」に登場する多くの白人が、人種差別に反対する立場をとっています。

「オバマ大統領の就任を心から喜ぶ白人」

「タイガー・ウッズの凄さを自慢げに語る白人」

「NBAやUFCで黒人選手が活躍するのも楽しみにしている白人」

誰も黒人を悪く言う者はいません。

この作品が面白いのは、「自分は差別などしていない」と主張する白人の深層心理や本音を描いている点にあります。

最近は「アジア人」や「ヒスパニック系」、「アフリカ系アメリカ人」、「LGBT」といったマイノリティーの人間を尊重していきましょう、と盛んに言われている時代です。

しかし彼らは本当にマジョリティーなのでしょうか?

2040年代に入ると、白人の人口より、有色人種の人口の方が増えると言われています。

さらに、スポーツや音楽をはじめ、様々な分野で、アフリカ系アメリカ人をはじめとする有色人種は活躍しています。

また最近では、バラク・オバマが大統領に就任したことにより、政界にも進出しました。

今までは、白人が数の面で優位に立っていたから、差別は悪いと言えました。

でも、もし自分がマジョリティーになったら、そうは言ってられないのでは?

だからこそ、『ゲット・アウト』に登場する白人は、黒人の知能や肉体を欲しがり、さらに優位に立とうとするのです。

『ゲット・アウト』は差別否定主義者も、劣等感から、無意識の差別を行っていると暴いているのです。

ゲット・アウトのキャスト情報

クリス・ワシントン役(ダニエル・カルーヤ)


ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリス・ワシントン。

クリスを演じるのは、イギリス出身のダニエル・カルーヤです。

ウガンダ移民の家系を持つ黒人俳優です。

本作の出演を機に、知名度をあげ、『ブラックパンサー』や『ロスト・マネー 偽りの報酬』などに出演しています。

ローズ・アーミテージ役(アリソン・ウィリアムズ)

クリスの彼女、ローズ・アーミテージ。

ローズを演じるのは、アリソン・ウィリアムズです。

「ゲット・アウト」が長編映画初出演の彼女は、HBOのテレビドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」で、マーニー役を演じ、注目されています。

これからも目が離せない注目の若手女優です。

まとめ

「ゲット・アウト」のあらすじについて、紹介しました。

「ゲット・アウト」には、ホラー映画であるものの幽霊やゾンビは出てきません。

出るのは、人間だけです。

しかしもしかしたら、一番怖い存在が「人間」なのかもしれません。

興味のある方は是非、一度ご覧になってください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。