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映画「ブラッドショット」のあらすじと見どころ|ヴィンディーゼル他キャストも

アメリカのヒーロー専門コミック出版社、ヴァリアントコミックが生み出した人気キャラクター、「ブラッドショット」。ヴァリアントコミックのキャラクターでは初めての実写映画となるこの作品は、既に全米で公開され、日本でも既に公開が始まっています。

「ワイルド・スピード」シリーズでお馴染みのアクション俳優、ヴィン・ディーゼルが主役を演じ、まもなくデジタル配信も開始されるこの作品。その、あらすじや見どころ、キャスト情報、そして原作の内容についてもご紹介します。

アニー
アニー
他人をボコボコにしたけど記憶がないっていう人の話なんですって。
クリス
クリス
そこだけ切り取るとヤバい人みたいだね。
アニー
アニー
ところで3か月前に貸した「死霊の盆踊り」のDVDと、この前立て替えた飲み代返してくれる?
クリス
クリス
君は誰だったかな。

「ブラッドショット」の公開日

この作品は2020年の3月13日に全米で公開され、日本では2020年6月5日から全国の映画館で公開されています。6月17日からは順次デジタル先行配信も予定されており、7月8日にはDVD、UHD、Blu-rayも発売されます。

まだまだ新型コロナウイルスの影響には十分警戒が必要ですが、映画館が開かれるようになったのは映画ファンには嬉しいことですね。観に行く方はくれぐれも、感染対策は十分に行いましょう。

「ブラッドショット」のあらすじと見どころ

米国海兵隊員のレイ・ギャリソンと妻のジーナは、休暇でイタリアを訪れていました。しかし、彼らはマーティン・アックスの率いる傭兵に拉致され、機密情報について問われます。レイはそれに応じず、彼と妻はアックスによって殺害されます。

レイはその後、ライジング・スピリット・テクノロジーという、米軍の負傷兵を人工的に強化する技術を扱う企業によって蘇生されます。レイは、その企業のCEOであるエミル・ハーティング博士から、彼がナノテクノロジーによって蘇生に成功した初めての例であると告げられます。しかしレイは過去の記憶を失っていました。

レイの血液は生物工学ロボット「ナナイト」に置き換えられ、彼は驚異的なパワーと回復能力を持った超人へと変化を遂げていました。 レイはその後、彼と同様に怪我から回復したKTという女性兵士を紹介され、二人は親しくなります。

そんな中、あるきっかけにより、レイはかつて妻が目の前で殺害され、その犯人がマーティン・アックスであったという記憶を取り戻します。妻の仇を撃つために施設を脱走し、アックスを倒すレイ。しかし彼はそこで意識を失い、気が付くと再びライジング・スピリット・テクノロジーのベッドの上にいました。そして彼の記憶は再び失われていたのです。

記憶を失いながら、妻の仇を探すという設定。映画ファンなら既視感を覚えそうですね。そう、あの名作サスペンス映画「メメント」(2000)です。今作には、ブラッドショットの記憶を操る科学者の役柄で、メメントの主演を務めたガイ・ピアースが出演している点に注目です。

本作の監督は、映画監督としてはこれがデビュー作となるものの、長年に渡り視覚効果・アニメーションの分野で経験を積んだデイヴィッド・ウィルソン氏です。監督に関しては、後の監督紹介の部分で詳しくお伝えします。

ヴァリアントコミックスのヒーローでは、今作が初の実写版となるブラッドショット。既に続編の計画もあり、また他のヒーローたちの物語の映画化も噂されています。マーヴェルやDCコミックスのような、シネマティック・ユニバースを作り上げることになれば、また世界のアメコミ・ヒーローファンの楽しみが増えそうですね。

「ブラッドショット」のキャスト

レイ・ギャリソン/ブラッドショット役(ヴィン・ディーゼル)

 

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ニューヨーク州、ニューヨーク市出身。27歳の時に、「複数のバックグラウンドを持つ有色人種の俳優がオーディションになかなか通らず苦戦する」という自らの人生をテーマにした短編映画「Multi-Facial」(1994)の脚本・監督・主演を務め、その作品はカンヌ映画祭の上演作品に選ばれました。

「Multi-Facial」での演技から、スティーブン・スピルバーグ監督に関心を寄せられたディーゼルは、「プライベート・ライアン(原題:Saving Private Ryan)」(1998)で兵士役のオファーを受けて出演し、それがハリウッドデビュー作となりました。

その後、「ワイルド・スピード(原題:The Fast and the Furious)」(2001)でドミニク役を演じ、このワイルド・スピードシリーズはその後8編の続編が製作される人気シリーズとして、ディーゼルの代表的な出演作品となりました。そして、日本でも人気のアベンジャーズ・シリーズでは、グルートの声の出演なども務め、いまやハリウッドを代表する肉体派俳優として活躍しています。

今作でのブラッドショットという役柄について、ディーゼルは次のように話しています。

「私の出発点は、スティーブン・スピルバーグの作品に登場する兵士という役だった。だから、兵士を演じることにはいつも思い入れがあるんだよ。緊張感のある作品で兵士を演じるのは今回で3回目だね。

ただ今回の作品は少し違う…これは、過去の精神的トラウマに触れるものだよね。それは、世界中の兵士たちが家に持ち帰っているものだろう。それらは、人々に認識されているだろうか?あるいは忘れ去られているだろうか。彼らの犠牲は感謝されているものだろうか、それとも見捨てられているものだろうか?この作品には、その問いがたくさん詰まっているよ。

ブラッドショットというキャラクターは、強靭な力を持つ超人であるにも関わらず、観客は彼に同情をしてしまう。何故なら彼にはもともとスーパーヒーローになる意志もなく、彼が望むと望まざるとに関わらず、戦わねばならないからだ。そこが、このヒーローが他のヒーローたちと一線を画するところだね」

引用:Screenrant

「さあ、これから世界を救おう!」という意志を持って戦うヒーローとは違い、出だしから理不尽な状況に置かれて戦うブラッドショット。その複雑な立場をディーゼルがどう演じているのか注目です。

KT役(エイサ・ゴンザレス)

 

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メキシコ、ソノラ州カボルカ出身。17歳の時にメキシコのテレビドラマ「Lola: Once Upon a Time」(2007)で女優としてデビューし、メキシコのドラマや映画でキャリアを積んだのちに「ベイビー・ドライバー(Baby Driver)」(2017)でアメリカでも知名度を高めました。現在は歌手、モデルとしても活躍中です。

今作では、呼吸器に障害を負いながらも、ライジング・スピリット・テクノロジー社の技術でより強化された兵士という設定のKTを演じているゴンザレス。KTはブラッドショットの境遇に同情し、組織の命令に背いて彼の逃亡を助けようとする役どころです。KTという役から、映画における女性の撮られ方について彼女は、インタビューで考えを述べています。

「女性キャラというのは一般に、ステレオタイプな枠にはめられがちでした。可愛くて魅力的な女性か、オタクっぽい女性か、お笑い担当か。しかし女性たちは見た目が美しいだけでなく、それ以上の何かがある存在なのだと証明してきました。女性たちは既定の枠にとらわれず、脚本家や監督にもっと人物を掘り下げるように求めてきたのです。

長い間、女優というのは、大きなスクリーンの中で自分がどう見られたいかということと、実際どう見られるかということのギャップを感じてきたと思います。でも最近は多様性が見られるようになってきたと思いますし、観る側もどういうものを観たいかという意識を持ってもらえればいいですね。」

引用:NBC News

メキシコ出身のハリウッド女優というのは数えるほどしかいないという現状から、メキシコ人女優がもっと活躍していけるように、自分がそのロールモデルとなれればいいと語るゴンザレス。彼女のルックスや、主人公の恋愛対象という役柄だけに注目するのではなく、もっと一人の人物としてのあり方を見て欲しい、という意志が伝わってきます。

ジミー・ダルトン役(サム・ヒューアン)

 

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スコットランド、ダンフリーズアンドギャロウェイ州出身。2004年にイギリスのテレビドラマ「Island at War」(2004)で俳優としてデビュー。以降、イギリスのドラマや映画でキャリアを積んだのち、2014年から放映されている英米合同製作ドラマ「アウトランダー(Outlander)」のジェイミー・フレイザー役でブレイク。同作品での演技が評価され、People’s Choice Awardなど複数の賞を受賞しています。

今作では、ブラッドショットと同じくライジング・スピリット・テクノロジー社で強化された兵士の一人、ジミーを演じているヒューアン。ジミーは戦闘で爆発に巻き込まれ、両脚を失いましたが、ハーティング博士の技術によって新たな両脚を得た上、自前の両腕にプラスしてもう一対の腕を得たという設定です。

役作りのためもありますが、筋トレにも通じているヒューアンは、ハリウッドでも最も肉体を鍛えている俳優の一人と言われています。彼のインスタグラムなどではトレーニングメニューを披露し、ファンたちにワークアウトの魅力を伝えています。

今作では、監督から「できるだけデカくなってくれ」と頼まれたというヒューアン。アクションシーンなどについて、インタビューで以下のように回想しています。

「ドラマの収録もあったから時間を作るのは大変だったんですけど、トレーニングしましたよ。できる限り鍛えましたね。格闘シーンは何度もリハーサルをして、アクションシーンの殆どは実際にスタントなしでやってます。ワイヤーアクションもたくさんやりましたし。

ヴィンの顔を殴らないようにすることだけは気を付けました。だって彼の顔を殴ったら、映画の撮影が数日止まってしまいますからね。」

引用:SyFy Wire

2020年のニューヨークシティーマラソンに出走を予定しているというヒューアン。鍛え抜かれた身体から炸裂するアクション満載の、ブラッドショットとのリアルな格闘シーンに注目です。

エミール・ハーティング役(ガイ・ピアース)

 

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イングランド、ケンブリッジシャー・イーリー出身。3歳の時にオーストラリアへ移住し、19歳の時にオーストラリアのテレビドラマ「Neighbours」(1986)で俳優としてデビュー。映画デビューはオーストラリア映画「Heaven Tonight」(1990)。

オーストラリアのテレビ・映画界でキャリアを積んだのち、「L.A.コンフィデンシャル」(1997)のエド・エクスリー刑事役でハリウッドデビューを果たしました。

その後、ピアースの出世作となったのが、クリストファー・ノーラン監督の「メメント(Memento)」(2000)です。メメントは、強盗に殴られて受けた頭部の外傷が原因で短期記憶を失った男が、メモを頼りにしながら妻を殺した犯人を捜すというサイコホラー・サスペンスでした。この作品での演技が高く評価され、ピアースは複数の映画賞を受賞しています。

今作では、ブラッドショットにナノテクノロジーによる改造を施し、彼の記憶を操る立場のエミル・ハーティング博士を演じているピアース。メメントのストーリーと似た設定も見られる今作への出演について、次のように話しています。

「(今作の撮影中にメメントのことが頭をよぎったか?という質問に対して)そうだね、もちろん。二つの作品につながりを感じるよ。登場人物が記憶というものを扱い、どういう経験をしてきたかを説明するシーンがあるから、メメントのことはよく頭に浮かんだね。

記憶っていうのは疑わしいものだよね。昔の写真を見て、誰かにその中で起きたことを説明するじゃないか、でも話していることが事実と違うことだってよくあるんだ。この映画は、ハイテクノロジーで近未来バージョンのメメントだなって感じたことはあるよ。」

引用:Collider

また、ヴィン・ディーゼルとの共演については

「彼は僕との共演を楽しんでくれたようだよ。そして彼の家族もよく現場にいたんだよね。彼は本当にいい父親さ。映画界の大スターでもあり、また家庭を持つ人間でもあって、その二つをうまく両立させているのは尊敬すべきことだと感じたよ。(中略)

彼は面白い人で、与えられた題材を掘り下げ、哲学的で、可能な限り興味深いものにしようとしていた。僕らは同い年だってわかって親しみを感じたね。まあ彼の方が若くて締まって見えるけどさ(笑)」

と、親しみをこめて話しています。メメントでは記憶障害に悩み、悪意ある人間たちに操られる人物を演じていたピアースですが、今回は他人の記憶を利用する立場です。ブラッドショットとどのような駆け引きが繰り広げられるのか、興味は尽きません。

「ブラッドショット」の監督は?


この作品の監督を務めたのは、デイヴィッド・ウィルソン。今作が監督デビューとなるウィルソン監督は、これまではアメリカのCGアニメーション制作会社であるブラー・スタジオ(Blur Studio)で、「デッドプール」(2016)の監督でブラー・スタジオの創始者であるティム・ミラーと共に、15年に渡って視覚効果に関する仕事をしてきました。

今作を製作するにあたり、ウィルソン監督はミラー氏から様々なアドバイスを受けたと言い、その中でも印象的なこととして次のように述懐しています。

「彼は私に、『全てを一人では出来ないからな。スタッフたちに頼ることを忘れるなよ』と言いました。ティムは私をよく知っていますからね。私はつい、作り込み過ぎて、仕事を熱心に、長くやり過ぎてしまう。まあ彼も同じなんですけどね。

あの会社を運営してきた経験は、この映画を作るための心構えをさせてくれるものでした。ブラーには150人のアーティストがいます。ひとつの作品を作るのでも、その人々の能力を最大限に発揮してもらう必要があり、それは一人では決してできない。そんなことを教えてくれるものが、他にありますか。

ティムやブラーのみんなと仕事ができたことは、この作品を作るためにできた最高の修行だったと思いますね。」

引用:Looper

主演のヴィン・ディーゼルはこれまで数々のシリーズ作品に登場し、複数の映画で監督を務めていることから、ウィルソン監督はディーゼルを今作のプロデューサーの一人に据え、続編の可能性や作品の方向性について意見を交換し合ったと言います。

また、ブラッドショットという物語が、マーベル作品やDC作品と差別化を図っている点について監督は、「物語の中で科学やテクノロジーの要素が濃いところだ」と話し、そこが「SFオタク」を自称する監督にとっては魅力のひとつだと述べています。

「この先、10年から20年もすれば、肉体の限界を補えるようなものが買えるようになるかも知れないですよね。より強く、速く、あるいは脳にチップを入れれば記憶の容量を補えるというような。そんなことが起これば社会はどうなるでしょう。ワクワクしますね。

ナナイトのように体の中にあって治癒を促進するようなものはまだありません。しかし、飲みこめるほど小さなピルが身体の中を漂い、血圧やコレステロール値、心拍数などを教えてくれるような技術は存在するんですよ。それがアップルウォッチに数値を送り、それはまたスマートフォンから動力を得るというようなね。

今はまだ補助的な存在ですが、そういったものが我々の能力を変化させるとしたら?それを思うと興奮しますよ。」

視覚効果の世界でキャリアを積んだ監督が、多くのスタッフと共に初めて作り上げた長編映画作品。今後のヴァリアント・コミックシリーズ作品の映画化や、今作の続編にも期待が持たれます。

「ブラッドショット」の原作

 

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ブラッドショットがヴァリアント・コミックスに初めて登場したのは、1992年のことでした。ケヴィン・ヴァンフック、ドン・パーリン、ボブ・レイトンという3人のクリエイターがその生みの親です。

ブラッドショットは最初からメインのキャラクターだったわけではなく、初登場は「エターナル・ウォリアー(Eternal Warrior)」という漫画のキャラクターとして登場し、その後別の作品である「レイ(Rai)」にも主要なキャラクターとして描かれています。

エターナル・ウォリアーとレイでの登場で人気を博したブラッドショットは、単独作品となることを求める読者の声が大きくなりました。それを受けて1993年に発売された第1巻はおよそ100万部が刊行され、のちにアメリカのコミック出版界で大手のダイアモンドコミック社から「ベストコミック賞」が送られています。

第1巻の設定では、犯罪組織に属するアンジェロ・モータリーという男が仲間に売られ、FBIに逮捕され、証人保護プログラムによって保護されることになるものの、そこでも裏切られて「ライジング・スピリット計画」の実験台にされることになります。

アンジェロの身体にはナナイトという極小のコンピューターが注入され、彼に驚異的なパワーと回復力、マーシャルアートの技術と武器の知識を与えますが、彼の記憶を消し去ります。自分が何者になったのか理解できないまま、怒りを感じてアンジェロは実験施設から脱走し、ブラッドショットと名乗りながら、自分が何者であったのか探す旅に出るのでした。

現代の「フランケンシュタイン」とも言えるような、改造を施され殺人マシーンへと変えられてしまった男が主人公のこのシリーズは、その成り立ちが他の一般的なヒーローとは異なる、極めてダークなものであることがわかります。人工的に記憶を消され、自分が何者であったのかを知るために彷徨う主人公の姿。確かに、ヴィン・ディーゼルが言うように、観る者は思わず彼に同情を寄せてしまいます。

原作は現在も7巻目まで出版されており、製作するクリエイターも第1巻とは異なりますが、依然としてヴァリアント・コミックスで最も人気の高いシリーズであり続けています。

「ブラッドショット」の評判は?

この作品を既に観た、国内外の人々がその感想をツイッターで呟いています。


(訳:今日はブラッドショットを観たけど、超ヤバかった。サム・ヒューアンはこの役にハマりすぎ。彼はこの映画ではマジ最の高。”アウトランダー”での彼もいいけど、彼が悪役を演じてるのは、うーんいいわねぇ…この映画見るべきよ!)


(訳:サム、ブラッドショット観たわよ。ああ、すごく良かった…悪役のあなたは見慣れてないけど、尊かった…)

まとめ

  • 「ブラッドショット」は2020年6月5日から全国の映画館で公開中。6月17日からは順次デジタル先行配信が開始される。
  • ヴァリアント・コミックのキャラクターの初の実写化
  • 視覚効果のスペシャリストであるデイヴィッド・ウィルソンの初監督作品
  • 「メメント」を彷彿とさせる、失われた記憶に絡む戦いが物語の軸に

映画館で楽しむも良し、自宅で観るも良し。マーヴェルやDCのキャラクターとは一味違うダークなヒーローの姿、ぜひお楽しみ下さい。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。